瑠璃光院 白蓮華堂
日曜仏教礼拝(8月30日・鈴木先生)
2015-08-31
仏教のまごころ
いろは歌
弘法大師がお作りになったという伝説のある「いろは歌」は、
「涅槃経」の「諸行無常偈」を「いろは」であらわしたものであると言われている。
その意味は、要約すると、「あらゆるものは生じては滅びる。
そのような、生じたり滅したりすることがなくなることが、安楽である」ということである。
色は匂へど散りぬるを
我が世誰ぞ常ならむ
有為の奥山今日超えて
浅き夢見じ酔ひもせず
一段目の意味は、桜の花は咲き乱れても、一瞬の春の嵐に散り果てていく。
それは花ばかりではなく、古代に栄華を誇った文明もいつかは廃墟となる、
人間もまさにそうである、ということをあらわしている。
二段目の意味は、この世に恒常なものは一つもないということである。
誰もが自分の世がいつまでも続くものではないのである。
三段目の意味は、有為とは、因縁によってつくられたこの世のすべての存在の事であり、
超えるとは、その因縁の道理に目覚めることである。
この世の全てが、絶対不変でないということを理解することである。
四段目の意味は、人生を酔生夢死、すなわち、生きている意味を自覚することなく、
ぼんやりと一生を送ることがあってはならないということである。
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