瑠璃光院 白蓮華堂

2015年11月18日

11月も半ば、寒さが一層増してまいりました。木々の葉も少しずつ落ち始め、寂しげな顔をしています。

そんな中でも、ふと見かける子どもたちは元気いっぱいで、

手には何やら茶色いものをたくさん詰め込んだ袋を持っています。それは、たくさんの「どんぐり」。

木から葉が落ちる様子を見かけると、物悲しくなることもありますが、

枯葉の中から可愛い小さなどんぐりを見つけると、そんな気持ちも少し和らぎますよね。

さて、みなさんはどんぐりの果実についている、おわん状のものの名前をご存知でしょうか。

これを、殻斗(かくと)と言います。殻斗はぶつぶつしていて、

幼いころは、「どんぐりの帽子」などと呼んでいたかもしれませんね。殻斗にもさまざまなものがあります。

私たちは、どんぐりと聞くと、細長いスリムなどんぐりを想像しがちですが、

実は、童謡「どんぐりころころ」の歌詞のように、コロンと転がって行ってしまいそうな丸いどんぐりもあるんです。

そんな丸いクヌギのどんぐりの殻斗は、毛が生えた様になっているそうです。

また、栗の実を覆っている「イガ」もトゲの生えた殻斗なんだそうですよ。

どんぐりの果実ではなく、殻斗に目を向けるように、いつもとは違うものに注目してみると、様々な発見があるものです。

暦上では冬を迎えておりますが、秋をまだまだ感じられるお話でした。

新宿瑠璃光院瑠璃光陰では、季節を感じられる木々、花がいつも皆様をお迎えします。ご来院、心よりお待ちしております。

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2015年11月15日

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正信偈の解説

原文・現代語訳

(正信念仏偈)

念仏を正信する偈(詩)

*第一祖龍樹菩薩の教え(依経段)

釈迦如来楞伽山しゃかにょらいりょうがさん

(かってお釈迦おしゃかさまが、楞伽山りょうがせん説法せっぽうされていた時)とき

為衆告いしゅうごうみょう南天竺なんてんじく

(人々に告げられました。わたしが亡きあと南インドに、)

りゅう樹大士出於じゅだいじしゅっと

(龍樹りゅうじゅという仏法ぶっぽう極めたきわめた偉大いだいひと現れて)あらわれて

悉能摧破しつのうざいは有無うむけん

(それまでのせまくかたよった考えを打ち破り、)

宣説せんぜつ大乗だいじょう無上法むじょうほう

(すべての人が救われるこの上なき教えを説き弘め、)

しょう歓喜地生かんぎじしょう安楽あんらく

(菩薩自らも豊かな歓びと大きな安らぎを得てさとりの国に至るであろうと述べられました。)

顕示けんじ難行なんぎょう陸路ろくろ

(龍樹菩薩は悟りに至るには、自分の力で歩むことは、険しい陸路を行くように苦しく)

信楽しんぎょう行水ぎょうし道楽どうらく

(阿弥陀仏の救いにあずかることは、ちょうど水上を船に乗って渡るように、易しく楽しい道であると示された。)

おくねん弥陀仏みだぶつ本願ほんがん

(阿弥陀仏の願いを心に深く刻み込んで忘れないならば、)

自然即時入じぜんそくじにゅう必定ひつじょう

(その時に、本願力のはたらきで、再び迷いの世界に戻ることのない身になるのです。)

唯能常称ゆいのうじょうしょう如来号にょらいごう

(この上は、ただ常に阿弥陀仏のみ名を称えつつ)

応報おうほう大悲だいひ誓願ぜいがん

(大悲の広大なご恩に感謝しましょう、と龍樹菩薩は教えられた。)

 

2015年11月11日

立冬を迎え、朝晩はめっきり冷え込むようになりましたね。

先日、冷たい風に乗せて甘い香りを漂わせるヒイラギの花を見つけました。

ヒイラギはモクセイ科の常緑小高木で、そこに咲く小さな白い花の香りは、

同じモクセイ科のキンモクセイと似ています。

ちなみに、クリスマスの時期に頻繁に目にする赤い実の付いたものは、

モチノキ科の西洋ヒイラギで、日本のものとは別の種類だそうです。

名前の由来は、葉に棘があってチクチクするので、

昔の言葉の疼く(ひいらぐ)というものからきたそうです。

しかし、若い葉にはお馴染みの鋭い棘がありますが、

歳月を経るにつれ棘がなくなり、写真のように丸みを帯びてくるそうです。

まるで人間みたい…などと、ついつい感じてしまいました。

そんなヒイラギの花言葉の一つに、「歓迎」というものがあります。

葉の鋭さと相反して、清楚で美しい花が、誘うように甘い香りを漂わせることが由来だそうです。

同じく新宿瑠璃光院においても、四季折々の花々が皆様のご来院を歓迎いたしますことでしょう。

まずはお風邪など召されぬよう、どうかご自愛くださいませ。

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