瑠璃光院 白蓮華堂

2015年11月30日

和讃のひかり

 

無明長夜(むみょうじょうや)の燈炬(とうこ)なり

智眼(ちげん)くらしとかなしむな

生死大海(しょうじだいかい)の船筏(せんばつ)なり

罪障(ざいしょう)おもしとなげかざれ   

正像末浄土和讃 愚禿善信集

 

*意訳

弥陀の本願は煩悩の長夜(煩悩によって迷う衆生)を照らすともし火である。

ゆえに、悟りの智慧の眼がくらいからといって、悲しむことはない。

弥陀の本願(悲願)は、迷いの生死の大海をわたす船であり、また筏でもある。

よって、罪障が重い(罪の重い身だから)といって歎く必要もない。

 

*文意

我欲にとらわれてばかりで、仏様のような智慧と慈悲とを

そなえた眼(まなこ)は私たちにはないが、心配することはない。

なぜなら、我執に充ちた自分(煩悩具足の衆生)であると

気づいたとき、苦海の闇で惑う私を、阿弥陀さまの願い(本願)の船や筏が、

かならず私を乗せて浄土へ導いて下さるのです。

それはまるで、暗闇にともる灯台の灯火(あかり)のようである。

 

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2015年11月25日

暮秋。11月も終わりに近づき、

日々、冬の気配が濃くなってまいりました。

夜は更に冷え込みますが、

夜空を見上げますと一年で一番、

星の輝きが美しい季節だと感じます。

東京では、満天の降るような星空は期待できませんが、

それでも澄んだ冬の空気が星々を魅せてくれているようです。

12月14日の日没後より15日未明にかけて、

年間三大流星群の一つである「ふたご座流星群」が見られます。

当日の月は三日月。午後8時過ぎには姿を隠すため、

月明かりもなく観察には最高の条件だそうです。

1時間に30個の予想も出ているようです。

あとはお天気次第ですが、晴天であれば是非、

夜空をご覧になってみてはいかがでしょう。

ただし、防寒対策は万全に。

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2015年11月23日

願力不思議の信心 (現世を生きる)

 

願力不思議の信心は

大菩提心なりければ

天地にみてる悪鬼神

みなことごとくおそるなり   現世利益和讃

 

意味

阿弥陀様の本願は、私たちの思いを超えたものであり、

信心が起こるのも、同じく、思いをこえたはたらきによるもの、

すなわち「他力」によるものであります。

そのわれわれの思いを超えた仏さまの本願の力、

つまり「願力不思議」によって私どもの心に起こされた信心は

「大菩提心」なのであるとしている。

大菩提心とは、仏さまからいただいた菩提心(悟りを求める心)だから

「大」がついているとしています。

自力の菩提心に対して、仏さまからいただいているので、

決してなくなることがないという意味です。

このように仏さまからいただいた悟りを求める心なので、

天地に満ち満ちて仏法を妨げようとしている悪鬼神たちは、

みなことごとく恐れをなして立ち退いてしまうというのです。

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