瑠璃光院 白蓮華堂

『七色』

2015-08-19

8月に入りだんだんと台風も増えてくる時期です。

子供の頃は台風といえば胸踊るイベントで、レインコートを着て外に出て、

長靴をはいて湖のような水たまりに分け入っていくのが楽しみでもありました。

雷鳴に驚いた犬が床下に逃げ込んで泥まみれで顔を出すのを、

自分もずぶ濡れになりながら笑って眺めていたものです。

これが大人になると交通機関のマヒや浸水、傘をへし折る強風にと、

どうにも厄介事ばかりが気になって億劫に感じてしまうのですから、

子供時代というものは尊い時間でした。

しかし、台風が明けた後の抜けるような晴れ空だけは、

あの頃と変わらず心地よいものです。

雨の後の空に虹をみつけた事があるでしょうか。

「虹のふもとには宝物がある」と言われる通り、

その美しい光のアーチは、幸福の象徴として愛されています。

赤・オレンジ・黄色・緑・水色・青・紫の7色のスペクトル。

我々日本人にとっては当たり前な「虹=7色」という考え方ですが、

アメリカでは6色、フランスは5色と、国によって異なる数で認識されています。

日本でも、かつての沖縄などでは2色とされていたこともあったそう。

確かに、グラデーションをどこで分けるかは、

見る人によって違っても不思議はありませんね。

ひとつの物事も感じ方ひとつで見え方が180度変わってきます。

夏の雨が特別な遊び場だった事。

煩わしいことにも他の側面があることを忘れずにいたいものです。

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